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「楽しい?それとも怖い?」耳が語る、ワンちゃんの本音とは

Apr 03,2025 | みゆき

愛犬の耳がピンと立っているとき、ふいに垂れたり、後ろに引いていたり──そんな小さな耳の動きに、実はその子の「今」の気持ちが表れているって知っていましたか?耳は音を聞くための器官と思われがちですが、実は喜びや緊張、不安など、さまざまな感情を映し出す「感情のアンテナ」でもあるんです。今回は、耳の「立てる・倒す・下がる」という3つのアクションから、感情の読み解き方と、そのとき飼い主ができる優しい対応について詳しく見ていきましょう。

耳の形と動きが示すもの

耳の形には種類がある

 

犬の耳には「立ち耳」と「垂れ耳」があるって、ご存じでしたか? 柴犬やコーギーのようにピンと立った耳の子もいれば、ゴールデンレトリーバーやビーグルみたいに、ふわりと垂れた耳を持つ子もいますよね。耳の形は犬種ごとにかなり違っていて、見た目の可愛らしさだけでなく、実は音の聞こえ方や感情の伝え方にも関係があるんです。

立ち耳の犬は、耳の角度や動きが目に見えて分かりやすいので、今どんな気持ちか読み取りやすいのが特徴。反対に垂れ耳の犬は、耳の動きがちょっと分かりにくいかもしれませんが、耳の付け根の動きや表情と合わせて見れば、ちゃんとサインを出しています。耳の形によって「気持ちの伝え方」に個性があるところも、犬の魅力ですよね。

耳の動きでわかる感情のサイン

 

犬の耳、よく見るとけっこう動いていませんか? これは音に反応しているだけじゃなく、「気持ち」を伝えているサインでもあるんです。

たとえば、耳がピンと前を向いているときは、何かに興味津々だったり、周りを警戒していたり。お散歩中に耳が立っていたら、もしかしたら遠くから聞こえる音に集中しているのかもしれません。逆に、耳が後ろに倒れていたり、横にぺたんと寝ているときは、「ちょっと不安…」とか「怖いかも」と感じていることが多いんですよ。

リラックスしているときは、肩の力が抜けるように耳も自然に下がっています。嬉しいときや甘えているときも、耳が柔らかく動くことがありますね。そんな耳のちょっとした変化に気づけたら、愛犬との距離も一歩近づくかもしれません。

犬によって違う“耳の言葉”

 

ここで少し注意したいのが、犬それぞれの「個性」。耳の動きにはある程度の共通ルールがあるとはいえ、「耳が後ろに倒れてる=怖がっている」というように、一概には言えないこともあります。

たとえば、人懐っこいワンちゃんが「嬉しい!」というときに耳を低くすることもありますし、慎重な子が同じ動きをしているときは「ちょっと様子を見よう…」という気持ちかもしれません。だからこそ、大切なのは「うちの子にとってはどうなのか」を知ること。

普段の様子や仕草をよく観察して、「この耳の角度のときは嬉しそうだな」と気づけるようになると、犬との暮らしがもっと楽しく、もっと深くなるでしょう。

日常シーンで犬の心を覗く

お散歩タイムは「耳の方向」に注目

 

愛犬とのお散歩中、耳が前方にピンと立っていたら「何か気になるものが!」というサイン。例えば、道端で突然耳を立てて立ち止まったら、草むらから小動物の気配を感じたのかもしれません。反対に、知らない犬に会ったときに耳が後ろにペタリと倒れていたら、緊張や不安の表れ。工事現場の騒音や大型犬との接近時にこの姿勢を見せる犬は少なくありません。

このような時は無理に歩かせず、耳の動きを観察しながら「大丈夫だよ」と声をかけ、犬が安心できるペースで進むのがコツ。耳がクイッと動くたびに、犬がどんな世界を感じているのか想像するのも楽しいですよ。

リビングでのんびり時は「耳の柔らかさ」が鍵

 

ソファでくつろいでいるとき、愛犬の耳がふんわり下がっていたら最高の安堵サイン。筆者の家のトイプードルマロンは、マッサージをしてもらうと耳がゆらゆら揺れながら、だんだんと柔らかく垂れていきます。でも、テレビのニュース音声が流れた瞬間、片方の耳だけピクッと動かすことも。これは「何かいつもと違う?」という軽い警戒心の現れです。

夜ごはんの支度中に耳をシュッと前方に向けたら「もうすぐごはん?」という期待の表現。耳の微妙な角度の変化が、犬の「心地よさの度合い」を教えてくれます。

遊びの最中に見える「耳の表情」

 

おもちゃを振り回している時、犬の耳が生き生きと動いていたら大興奮の証し。ゴールデンレトリーバーのように耳が風になびくほど激しく動かす犬種もいれば、パグのように耳の動きが少なくても目で感情を表現するタイプも。ただし、遊びの途中で耳が突然ダランと垂れ下がったら、疲労や体調不良の可能性があるため休憩が必要です。

面白いのは、じゃれ合い遊びで「ウー」と低く唸りながら耳を前に倒す仕草。一見怒っているように見えますが、しっぽをブンブン振っているなら「もっと遊んで!」という楽しさの表現です。耳と他の部位の動きを組み合わせて読むと、本当の気持ちが見えてきます。

全身で読み解く犬の感情

犬の耳は感情のバロメーターとしてよく注目されますが、実はそれだけでは十分とは言えません。耳の動きと一緒に、尾の振り方や目の表情、体全体の動きにも目を向けることで、犬の気持ちをより正確に読み取ることができます。ワンちゃんが何を感じているのか――「耳だけ」ではなく、「全身」を観察することが大切です。

耳と尻尾はセットで考える

 

たとえば、散歩に行く直前などに、耳がピンと立っていて、同時に尻尾を大きく左右に振っている場合、それは「うれしい!」「早く行こう!」というワクワクした気持ちの表れです。しかし、同じように耳が立っていても、尻尾がピンと止まっていて、体が少し硬直しているようなら注意が必要。その場合は、警戒や不安、もしくは威嚇の兆候かもしれません。

つまり、耳と尻尾の組み合わせを観察するだけでも、全く異なる意味になることがあるのです。

舐めるしぐさ+耳の動きに注目

 

耳が後方に寝ていて、さらに舌で自分の口元をペロペロと舐めるような仕草が見られたら、それは強いストレスや緊張を感じているサインです。嫌いな音がしたとき、動物病院に着いた瞬間などにこうした反応がよく見られます。無理に声をかけたりせず、少し距離を取り、安心できる空間を整えてあげることが大切です。

特に耳の動きとセットで、口元や表情の変化を見る癖をつけると、より細やかな感情に気づけるようになります。

姿勢も大事なヒントに

 

さらに見逃せないのが「姿勢」です。耳を伏せながら体を低くするようなポーズは、不安や服従を示している可能性があります。反対に、耳を立てて体をぐっと前に出すような姿勢は、自分を大きく見せようとしていたり、強気な態度を取っているサイン。これもまた、耳単体で見るとわかりにくいですが、姿勢と一緒に見ることで明確になります。

とくに他の犬や人と出会ったときの挨拶シーンでは、この微妙なボディランゲージをよく観察することが重要です。

毎日の観察が信頼関係に

 

犬の感情は決して単純ではありません。「うれしいけどちょっと不安」「気になるけど怖い」といった、複雑な感情のミックスも珍しくありません。そんなときこそ、一部のシグナルだけに頼らず、耳・尾・目・体全体の「流れ」を読み取ることが求められます。

日々の些細な変化に気づけるようになると、犬との会話が成立しているような感覚になります。「今日はなんだか落ち着かないかな?」「あれ、珍しくじっとしているな」など、ちょっとしたサインの裏にある気持ちに寄り添えるようになれば、信頼関係もぐっと深まります。

まとめ

ワンちゃんの気持ちは、言葉がなくてもちゃんと表れています。中でも耳の動きは、その時々の感情を映す小さなサイン。何気ない仕草に目を向けるだけで、「今こんな気分なんだな」と気づけることも増えていくはずです。犬の気持ちに寄り添い、彼らとの絆を深めるために、今日からでも実践してみてくださいね。

Giipet チャンネル
ペット用品の「実際の暮らしでの使い方」を動画で紹介!飼い主様のリアルな使用シーンや商品の魅力をお届けします。毎週末に本編動画を更新、平日はショート動画やお役立ち情報を配信中。愛犬・愛猫との毎日がもっと楽しくなるヒントが見つかります。🐾
この記事を書いた人
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みゆき
神奈川県鎌倉市在住のフリーランスライター。愛犬のトイプードル「モカ」との暮らしを綴ったSNSが話題に。ペット用品のレビューや、モカと一緒に訪れたドッグカフェの記事を執筆中。趣味はモカのための手作りおやつ作り。
#犬の知識 #犬の飼い方